キッズウイークは愚策か?非難の嵐企業任せならプレ金二の舞

キッズウイークは愚策か?非難の嵐企業任せならプレ金二の舞

ケボライト

2017/07/1111:11

産経ニュース

201771107:00

経済インサイド

政府は5月、小中学校や高校の長期休みの一部を別の時期に分散するキッズウイークを創設し、平成30年度から始めると発表した。休み方改革の一環として親に有給休暇有休取得を促し、夏休みなどに集中しがちな国内観光を分散するのが狙いで、実現すれば消費創出効果は約4000億円に上るとの試算もある。ただ、構想には発表直後から非難の嵐で、企業などの協力が得られなければ笛吹けど踊らずの愚策に終わりかねない。

アンケート反対66

子供は休みでも親は休めねえぞ!ひとが休むときが稼ぎ時の業種の従事者には関係ないこういうアホな政策を出されて一番大変なのは休めない福祉の仕事に携わる私たちです。いずれもインターネットに書き込まれたキッズウイークへの辛辣しんらつな意見だ。

!ニュースが5月下旬に行ったアンケートによると、17万件以上の回答のうち反対は662に達し、賛成223わからないどちらとも言えない115を大きく上回った。

安倍晋三首相は5月24日の教育再生実行会議で、キッズウイークの狙いとして、子供たちの豊かな心や人間性を育む観光需要の平準化や地域活性化を図る有休の取得を進めるなどを挙げた。

特に有休の取得率企業が付与した年次有休日数に占める取得日数の割合は27年時点で487にとどまり、政府が掲げる32年に70という目標には、ほど遠い。キッズウイークを取得率改善の起爆剤にしたい考えだ。

市場関係者の多くは、キッズウイークが順調に実施されれば一定の効果があるとみている。みずほ総合研究所の試算では、旅行料金の安い閑散期に連休が移ることで新たな観光需要が生まれるなどし、国内旅行消費が約4000億円押し上げられるとしている。

簡単に休みとれない

もっとも、こうした効果を生み出すには企業が有休の取得でどれだけ協力するかにかかっているみずほ総研の宮嶋貴之主任エコノミスト。両親が休めなければ、子供が旅行に出かけることができないからだ。

ただ近年、政府が呼びかける消費喚起などのキャンペーンは評判が良くない。今年2月、月末金曜の午後3時終業を推奨するプレミアムフライデープレ金が始まったが、取り組みを企業に任せた結果、普及はいま一つだ。ネット調査などを手掛けるジャストシステムが4月発表した報告によると、3月のプレミアムフライデーで午後3時退社を実行できた人は37に過ぎなかったという。

キッズウイークも企業任せにすれば、普及しない可能性があり政府による奨励金などのインセンティブ動機付けを設けた方がいいのではないか明治安田生命保険の小玉祐一チーフエコノミストとの声も上がっている。

だが、仮にインセンティブなどがあっても、応えられるのは業績に余裕がある大企業に限られる可能性がある。小玉氏は人手不足の中小企業は簡単に休みがとれないだろうと指摘する。このほか旅館、外食など休日が書き入れどきのサービス業は休めないといった声や、子供のいない社員は有給休暇を取れず仕事のしわ寄せがいくのではないかといった懸念も少なくない。

キッズウイークに関し、安倍政権は官民の合同会議を月内にも開き、反対意見も踏まえた上で、本格的な制度設計の議論を進める方針だ。旧民主党菅直人政権も22年に休暇分散化構想を打ち出したが、国民からの反対意見も多く、24年に政権が交代し頓挫した経緯がある。古くて新しいともいえる休暇分散問題に、安倍政権が決着をつけられるかが焦点となる。

経済本部山口暢彦

キッズウイーク

小中学校、高校などの夏休みといった長期休暇の一部を地域ごとに別の時期に振り分け、企業や官公庁には有給休暇を取得しやすい環境整備を促してつくる大型連休。平成30年度の導入を目指す。休み方改革を進め、観光需要を創出して個人消費の拡大につなげるのが狙い。夏休みの最終週5日間を他の時期の平日に移し、土日と合わせて最大9連休も可能にする。

何も考えず安易にしかも無駄に休みを増やせばいいという無鉄砲な愚策